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営業マニュアル1 日本人は英語の読み書きは結構出来るが会話は下手である−−と一般に信じられている。 本当だろうか? 私もTOEICのテストを何回か受けたが、ListeningよりもReadingの方がいつでも点数は低かった。大方の他の人達もそうだった。TOEICテストの英文は実用文であり、かつ時間が極めて限られたうえに、問題の数、ボリュームともに多い。斜め読みに近い速読が、馴染みのない「薬の飲み方の注意書き」とか「貿易の送り状」、「クレームレター」等の実用文で要求される。一般的な日本の英語教育を受けた人には600点を取るのも容易ではないのである。 国内で営業を行うのに何で英語が必要なんだ? との疑問も当然のことだろうと思う。所が外資系の企業の大幅日本進出により様相は大分変わってきている。私の現在いる会社では人材派遣も業務として行っているが、国内企業の渋い採用状況に比して外資系の方が概して元気が良い。また引き合いも多いため、実際の派遣もどんどん増えている。外資系企業では担当者は日本人であっても管理職は外国人、契約書も英文でお願いしたいと言われるところが少なくない。どうしても英語が嫌であれば注文を断るしかない。これでは自分のテリトリーを自ら放棄するようなものであり、ノルマの達成も怪しくなってしまう。 以前いた情報関連の会社では、アメリカを中心とした海外企業からのシステム関連の商品の売り込みが結構多かった。これらの売り込みはパソコンでのデモが中心である。時間が勿体無いということで通訳は付けない。企画元の部長が言った。「今日のメンバーなら通訳をしなくても良いですよね。通訳をすると時間が倍掛かって効率が悪いですから。如何しても通訳して欲しい方がいたら手を上げてください」。手は上げづらかった。 売り込み企業は機密の漏洩を嫌い、プリントした資料は一切配布されない。英語の説明と英語画面でのデモのみで理解しなければならなかった。次の企画会議は日本人だけの会合であり、当然日本語で会議は進められた。しかし前回の英語での説明・デモを完全に理解した事を前提に会議は進められるので、よく分からなかった人は発言することも出来ない状況になってしまう。何も発言しない人はその次の会議には呼ばれなくなる。デジタルデバイドならぬ「英語デバイド」である。 最近のインターネット教育ソフトなどでも改版が多いので敢えて日本語版を作らないとか、マニュアルも簡単なので日本語化しないものも結構出てきている。 韓国、台湾、中国、シンガポールではIT関連の要員は英語が出来るので英語版をそのまま使用するので日本よりも常にWindowsその他で新しいバージョンが稼動している。このままでは日本はアジアの中でもITの競争に負けてしまう。日本人の英語力はアジア最低である。 ■TOEICの目安 全てのビジネスマンが650点は欲しいものである。欲を言えば730点である。800点以上であれば、転職の時には英語でビジネスの出来る人と言うことで高く評価される。
あなたはいつまでも今の企業で営業をしているとは限らないのである。ヘッドハンティング経由で外資系企業からの高額のオファーがあるかも知れない。その時「英語は苦手なものですから」では情けない。 日本企業でもまともな企業の最前線は世界に通じており、必ず英語力が要求される。マーケットは世界であり、調達先・製造元はアジアが多い。各種規制が無くなれば、国内だけのビジネス活動で十分な収益と成長を達成することは難しいからである。 雇用保証の無い現代社会にあって自分のエンプロイアビリティーを最大限に保つ武器の1つは間違いなく“英語”である。 Copyright (c) 2002-2003 AAA eXcellent Company All Rights Reserved. |